はじめてイラストを依頼する方、また依頼を検討している方へ。
「これを知っておくとスムーズ&お互い気持ちよく進められる!」というポイントを、イラストレーター視点でまとめてみました。
まず大事なこと(依頼前に押さえておきたいポイント)
イラストを依頼する際、下記の点を意識しておくと後々のトラブルを防げます。
- 用途を明示する
「どこで」「どんな風に」使うかを伝えることで、イラストレーターさんも描きやすくなります。例えば「SNSアイコン」「動画に使用するイラスト」「グッズ用のイラスト」など。用途が不明瞭だと、的確な絵が描けなかったり、後でイラストの画像サイズなどに不都合が生じてしまうことがあります。 - イメージをできるだけ具体的に(文章だけでなく写真・資料も活用)
「こんな雰囲気」「こんなポーズ」など文章で伝えるのも大切ですが、参考になる写真や資料、依頼するイラストレーターさんの過去作品を明示すると、絵師さんの頭に“こういう絵ね”とイラストの雰囲気が伝わりやすいです。 - データ形式・サイズなどを予め決めておく
後からイラストレーターさんに「もう少し大きくしてほしい」「解像度高くできる?」とお願いしても描きなおしが必要になる場合が多く、対応してもらいない場合が多いです。対応してもらえても追加料金や手間が発生してしまうことが多いです。サイズ・解像度・納品形式(PNG / PSD / ai など)もしっかり依頼時に伝えるか、相談することにしましょう。 - 相手にも敬意を持って対応する
連絡は丁寧に、期限に余裕をもつなどイラストレーターさんへの配慮を忘れないようにしましょう。イラストレーターさんも仕事として依頼を受けているのでスムーズなやり取りができれば、その分イラストに注力することができます。 - 使用範囲について確認する
依頼したイラストの使用用途に関してはイラストレーターさん(描いた人)に確認する必要があります。用途が広がったり商用利用になる場合は、追加料金が発生したり譲渡契約が必要になることもあるので、用途をはじめに共有しておくと安心です
イラストレーターにイラストを依頼する方法と注意点
イラストを依頼する流れと、それぞれの過程で注意しないといけないことについてお伝えしていきたいと思います。
1.1 依頼する手段
まずはどのような方法でイラストを依頼するのか決める必要があります。いくつかの方法があり、それぞれの方法にメリット・デメリットがあるので、「自分の目的」「予算」「こだわり度合い」で使い分けるのがおすすめです。
SNS(例:X/Instagramなど)から直接依頼
お気に入りの絵師さんが既にSNSで作品を公開している場合、DMやメールで「○○のようなイラストをお願いできますか?」と直接依頼する方法です。
- 好きな絵師さんにピンポイントでお願いできます。
- 過去の投稿を参考に依頼するか決めることができます。
- 料金・納期・使用範囲・データ形式などを自分から確認・提案する必要があります。
- 個人間のやり取りはトラブルのリスクも高まります。
- 絵師さんが個人依頼を受け付けていない可能性もあるので、先にその人が「依頼受付中かどうか」を確認すると安心です。
クラウドソーシングサイト(例:ココナラ、SKIMA、つなぐ)
「イラスト依頼初心者さん」におすすめ。料金の表示があったり、やり取りの流れや実績が見えるようになっています。プラットフォーム運営者を通して支払いを行うなど、トラブルのリスクを抑えられる仕組みもあります。
- 料金が明示されていて見積もりが取りやすい。
- やり取りのマニュアルが整っていることが多い。
- プラットフォーム運営者を通して支払いを行うので金銭的なトラブルのリスクを抑えられる
- 人気絵師さんが必ず登録しているわけではないので、「この絵師さんに頼みたい!」という場合には個別に連絡を取る方がいい場合もあります。
Skeb(スケブ)
「おまかせ形式」「打ち合わせなし」「リテイクなし」が特徴のプラットフォームです。プラットフォームとしては上記2つの依頼方法とは少し意味合いが異なるのが特徴です。完全にお任せでイラストレーターさんにすべて丸投げするという依頼方法です。
- 構図や細かい指定がそれほどない場合、イラストレーターさんのお任せでイラストを描いてくれる。
- イラスト依頼に関する個別の会話が禁止されているため、イラスト依頼にかかる時間や手間を削減できる
- プラットフォームの仕様上、依頼内容の細かい指示と途中の変更ができません。
- 商用利用・大きな変形・グッズ化など用途の幅が出る場合には別の方式を選んだ方が安心です。
- 双方向のコミュニケーション・個別の会話が禁止されているので、こだわりが強い人には向いてないです。
1.2 依頼時の流れ
依頼する人とプラットフォームを決めたら実際に依頼を開始しましょう。
以下は一般的な「依頼から納品まで」の流れです。絵師さんや使用するサービスにより多少異なりますが、初めての方はこの流れを頭に入れておくと安心です。
1.絵師さんに連絡・相談
「依頼したい絵師さんに、今依頼を受け付けているか/どんな感じで依頼を受けているか」を確認します。場合によっては見積もりのみの対応をしている方も。クラウドソーシングでは「商品を購入してから相談を推奨」逆に「相談してからの商品購入を推奨」もあるので、購入前に質問できるか確認をした方がいいです。
イラストレーターの私としては「相談してからの商品購入」の方が、依頼内容を事前に確認できるので助かります。
イラストレーターさんによるので概要欄をまずは見てみましょう
2.依頼したい内容をきちんと伝える
用途、イメージ(参考画像や色味など)、人数・背景・構図・イラストのサイズといった具体的な情報をまとめておくとスムーズです。構図がふわっとしているけど、こだわりを持ってイラスト依頼したい場合は「構図をいくつか提案してもらうことは可能ですか?」と確認をしてもいいと思います。(*了承するかどうかはイラストレーターさんによって個人差があります)
この場合は別途料金がかかることも多いので念頭に置いておきましょう。
3.ラフ画を確認・修正
多くの場合、完成前に「ラフ」を見せてもらえることがあります。この段階で「この部分少し変えたい」「もう少し色味淡く」など要望があれば伝えましょう。ここで伝えなかった要望は、完成後に追加修正できない場合が多いです。しっかり確認しましょう。
注意:ラフという言葉について
イラストレーターの間でも、依頼者の間でも「ラフ」という言葉の認識は異なることがよく見受けられます。
例えば、ほとんど清書した完成イラストに見えるイラストをラフという人や、白黒やグレー調で着彩したものをラフという人、鉛筆の線だけのようなものをラフと認識している人などです。
ですので、もしいくつか構図が欲しいと思う場合、どの程度のものを(鉛筆の線のみのようなもの・ある程度着彩があるものなど)欲しているのかを明確に示した方が、スムーズにやり取りできます。
4.完成したイラストを確認
ラフの段階から完成までで大幅に変わっていないか、データが要望通りか(サイズ・形式)を最終チェックします。再度注意点ですが、大きな変更は難しい場合が多いです。
5.納品・支払い完了
データを受け取り、使用範囲・著作権の扱いが合意通りかを確認して、正式に「納品完了」とします。もし「また依頼したい」と思ったら、絵師さんにその旨を伝えると次回以降も気持ちよく進められます。
1.3 安全に依頼するための注意点
安心かつスムーズにやり取りするために、重複する部分もありますが下記に注意点をまとめました。
- 費用の確認
背景が複雑/人数が多い/商用利用/グッズ化など、依頼内容がによっては「オプション料金」がかかることがあります。依頼内容とともにどのくらいの費用感で依頼したいのかを明確にしておきましょう。 - 依頼内容の明確化
後になって「やっぱり背景も入れてほしい」「もう少し人数増やしたい」となると、作業量が増え、絵師さんの負担も大きくなります。イラストの完成度にもかかわるため正直対応できない場合も多いです。ラフ時点で修正したいところをしっかり確認しておくと安心です。また、不明瞭なところがあれば、ラフ提示の段階や、依頼内容を伝えるときに質問しましょう。 - 著作権・使用範囲の確認
イラストレーターさんが描いた作品には著作権があります。依頼時に「このイラストをSNSアイコンに使います」「Webサイトのヘッダーに使います」「将来グッズ化したいかもしれません」というような使用目的を伝えておくと、トラブルを防げます。 - 信頼できる人にお願いする
特にSNS経由・個人間依頼の場合、連絡が途絶えたりするリスクもゼロではありません。クラウドソーシングを利用したり、イラストレーターさんのSNSや実績を見て信頼できる人なのかチェックしてリスクを抑えるようにしましょう。
おすすめの依頼方法(初心者さん向け)
はじめてイラストを依頼するなら、クラウドソーシングサイト(特にココナラ・SUKIMA・つなぐ)を使うのがおすすめです。理由はこちらです
- 金銭トラブル発生リスクが低めで、トラブル発生時も運営に問い合わせたりQ&Aがあったりと対応しやすい仕組みがあります。
- 絵師さんの実績・料金・納期が表面化しているため、比較検討しやすいです。
- 初めてのやり取りでも運営やイラストレーターが依頼の流れやテンプレートを表示している場合が多く、安心感があります。
唯一のデメリットとしては、「この絵師さんに絶対描いてほしい!」と思っても、その人がクラウドソーシングサイトに登録していないことがあること。なので、どうしてもその方にお願いしたいなら、直接SNS等で状況を確認しても良いですね。
さいごに
イラストレーターさんと依頼主さん、どちらも「気持ちよく進めたい」と思っているもの。だからこそ、少しの配慮と事前準備で、スムーズに依頼することができるようになります。
- 何のために使うかをしっかりと伝える
- イメージをできるだけ具体化する(文章+資料)
- データ形式・使用範囲を明確にする
- 相手(絵師さん)にも敬意を払って対応する
- 著作権・使用範囲をちゃんと確認する
この5つを意識しておけば、初めてでも安心してイラスト依頼ができます。ぜひお気に入りの絵師さんに素敵な1枚をお願いして、完成を楽しんでくださいね。
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