こんにちは今回は、Vtuber関連銘柄を比較していきたいと思います。
2022年6月にVtuber所属事務所の「にじさんじ」を運営するANYCOLOR(エニーカラー)が東証グロースに上場し、それを追うように2023年3月末に「ホロライブ」を運営するカバーが東証グロースに上場しました。
エニーカラーは、6月の初値4810円から10月末に最高値13790円を付けました。(約2.9倍)
「Vtuber関連」という新しい分野の主力銘柄なので、上場した当初は非常に盛り上がりました。今は、だいぶ株価も下がってきており、落ち着いた値動きになってきています。
株価も下がってきて株価に過熱感がなくなってきたので、そろそろ投資してもよい頃合いだと感じたため、本格的に業績などを調べてみようと思いました。では、業績など比較していきましょう!
ANYCOLORの特徴
- Vtuberグループ「にじさんじ」を運営。(約150名所属)
- 海外Vtuber事業として英語圏・中国に進出。
- タレント育成プロジェクト「バーチャル・タレント・アカデミー」開始 ←仕事辞めて入ろうかな( 一一)
Vtuber人数:日本118名、英語圏31名《2023年3月》
カバーの特徴
- Vtuber事務所「ホロライブプロダクション」(ホロライブ・ホロスターズ)運営(約70名所属)
- バーチャルプラットフォーム(Vtuber配信アプリ・キャラクターモデル作成、バーチャルライブ)開発
- メタバースサービス「ホロアース」開発 ←楽しみ♪
所属タレントの31名はYouTubeのチャンネル登録者数が100万人以上!
業績比較
ANYCOLOR:直近の通期売上高予想は250億円、純利益は92億円。
カバー:直近の通期売上高予想は181億円、純利益は22億円。
売上高は、2社とも同じくらいなのですが、営業利益は、エニーカラーが4倍程度多いようです。稼ぐ能力としては、カバーよりエニーカラーがかなり優れていることが分かります。
利益率比較
エニーカラー:売上高営業利益率が2023年3月期の会社予想で36.8%となっています。また、実績ROEは、56.79%、実績ROAは35.85%となっています。
カバー:売上高営業利益率が2023年3月期の会社予想で12.01%となっています。実績ROEは、43.96%、実績ROAは:21.17%となっています。
営業利益率・ROE・ROAのすべてにおいて、エニーカラーが優れていることが分かります。
上記のことから稼ぐ能力は、カバーよりエニーカラーが現段階でかなり優れていることが分かります。
財務状況比較
- エニーカラー:自己資本比率は67.5%。
- カバー社:自己資本比率は41.9%。
財務状況については、カバーもそれほど悪くないですが、エニーカラーの方が安定していることが分かります。
主要株主について
ANYCOLOR
カバー
2社ともに創業社長が多くの株式を保有してることが分かります。創業社長がしっかりと株式を保有してることは、非常に頼もしいです。
ビジネスモデルについて
Vtuber業界では、具体的にどのようなビジネスで利益をあげているのか見ていきます。カバーは、上場して間もないため、詳しい決算説明資料がでていません。そのため、今回はエニーカラーの決算説明資料の中から、売上の内訳を持ってきました。おそらく、カバーも似たような内訳になっているのではないかと思います。
国内コマースが稼ぎの柱になっているようです。やはり、グッズ販売がメインということが分かります。その他には、Live Streaming(動画配信)や、プロモーション(広告)、イベントなどで稼いでいるようです。
今後は、企業案件などのプロモーション事業などもVtuber人気が上昇すれば、増えてくるのではないかと思います。
総合評価
比較結果を簡単にまとめてみました。
項目 | エニーカラー | カバー |
売上高(予想) | 250億円 | 180億円 |
営業利益率 | 36.8% | 12.01% |
実績ROE | 56.79% | 43.96% |
自己資本比率 | 67.5% | 41.9% |
創業者の株式保有率 | 45.33% | 38.24% |
予想PER | 27.8倍 | 60.0倍 |
実績PBR | 15.4倍 | 18.08倍 |
この2つの銘柄を比較して一番、違いがあるのはやはり利益率ではないでしょうか?エニーカラーは、コストを抑えた経営がなされているように感じます。それに比べてカバーは、利益率の低さが目立ちます。今後、この利益率を改善できるかどうかでカバーの株価は大きく変化してくるのではないかと思います。
数値面だけで言えば、エニーカラーは、利益率・自己資本比率・株価の割安度合において優れていることが分かります。しかしPER・PBRをみると「カバー」のほうが株価的には、市場から評価されていることが分かります。
また、VtuberのYouTubeチャンネル登録者のランキングでは、1~20位の中にカバー所属(ホロライブ)が15人、エニーカラー所属(にじさんじ)が2人となっています。Vtuberのランキングについては、《Vtuberランキング》を参考にしました。
チャンネル登録者数のみで考えると、ホロライブに人気が集中しているように感じます。
エニーカラーは、会社の経営が非常に優れており、カバーは人気度は業界随一だが、経営や収益性はまだまだ改善の余地が残っているという印象を受けました。
エニーカラーは、収益面においてかなり優れており、魅力的な企業であることが確認できました。ただ、Vtuberのシェア(人気度)について考えれば、カバーとは大きく差が開いているように感じました。人気度が高い「カバー」が「エニーカラー」を見習い、収益性を大きく改善することができれば、カバーの株価がより飛躍しやすいと個人的に思いました。
今後は、カバーの本決算をしっかり確認し収益性・ビジネスモデルをしっかり確認し、収益が今後改善されていくようであれば、タイミングを見て投資してみたいと感じました。
エニーカラーもカバーも今は、下落基調にあるので落ち着いて本決算を待ちたいと思います。
【注意!】IPO後のロックアップについて
最後に上場したばかりの株に投資する際に知っておいた方がいいことを紹介します。
最後に上場したばかりの銘柄(IPO銘柄)に投資する上で、覚えておきたい《注意点》を紹介します。それは、IPO銘柄の《ロックアップ解除》です。
・大株主が「一定期間保有株式の売却をしない」という合意をおこなうことです。これにより設定されたロックアップ期間中は、大株主が株式を売却ができないようになっています。
エニーカラーは、上場後180日間の「ロックアップ期間」が設定されていました。ロックアップ期間の解除日に近づくにかけて「大株主が大量に株を売却するのではないか?」という心理が働き、株価がじりじりと下げ始めました。その後ロックアップが解除され、大株主の「香港幻電」が株式の保有比率を大幅に減らしました。その報道を受けて株価はさらに下落しました。
- 大株主によるロックアップ期間は180日間。ロックアップ期間が解除された12月5日に大幅安となった。
- 《香港幻電》の保有比率が5%を下回ったことが、12日に明らかになった。
- ロックアップ解除(12月5日)から最大で、60%下落。
ロックアップ期間 :180日
ロックアップ解除条件:公募価格の1.5倍《解除価格:750(公募価格)×1.5=1125円》
➡180日以内でも、株価が1125円以上であれば大株主も株式を売却できるようになります。
現在の株価は、すでにロック解除条件の株価に達しているため、大株主も株価を売却できる状況になっています。
IPO銘柄に投資する際には、ロックアップ期間と解除条件を事前に確認しておけば、急な株価の暴落にも事前に対応できるかもしれません。
最後まで読んでくださりありがとうございました。少しでも参考になれば幸いです。
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